日本のシンボルである東京タワーにほど近い虎ノ門・麻布台地区に、オフィス、住宅、商業施設、文化施設、ホテルなど、多様な施設群を建設する今回のプロジェクト。
広大な敷地の中で、当社が担当しているのは、東京タワーとほぼ同じの約330mの高さを誇る超高層オフィス棟(A街区)と約240mの超高層住宅棟(B2街区)。
オフィス棟の延床面積は、約46万m2で東京ドームの10個分。またスカイツリーの約3倍の鉄骨を使っていることから、いかにビッグプロジェクトであるかが分かる。
当社史上最大のプロジェクトに挑む
これまでの大型プロジェクトと呼ばれる現場でも、タワークレーンが4基立つことはあったが、6基も立つ現場は今までなかった。しかも、今までに無い未知の高さで、圧倒的な物品が必要となってくる中、タワークレーンや工事用エレベーターをはじめとする機械、小型の汎用品も含めると6000点以上の建設機械を当社が手配、管理しなければならなかった。
現場の欲しいものが欲しい時に
これまで経験したことのない膨大な建設機械、各種汎用品の手配などを現場で束ねる後藤に仕事のポイントについて聞いてみた。
「やはり、現場の欲しい物が、欲しいときに、欲しい台数揃っていなければならないということでしょうか。これだけ大きな現場になると物品の数も膨大になるため、そこにかかる予算も決して無視できないものになります。だからこそ、無駄を出すこと無く、適切な数を適切なタイミングでしっかりと手配していくことが、現場の機械を管理する私達の使命です。M-Linc(エムリンク)という機械を管理するシステムを活用しつつ、実際に現場を見て周りながらダブりがないかをチェックし、転用できそうなものをピックアップ。徹底して無駄を省きながら、各種機械・汎用品の運用を現場に提案をしていくことが、係員からの信頼を得ることにつながるため、いかに正確な情報を的確に集めていくこと、そして機転を聞かせながら判断することがこの仕事のポイントと言えるかもしれません。」
次世代技術の導入
建設現場内で使用する建設機械の稼働状況をICタグで管理するシステムであるM-Lincは、現場に搬入される当社が手配したすべての仮設機械を対象に、貸し出し、返却、機械の所在などをクラウド上で一元管理し、現場での労力削減に繋がっている。
さらに、今後のICタグ読み取り無人化に向けた取り組みも進行中だ。それ以外にも、近隣住民の方の環境への配慮から、音を小さくできないかを検討し、静音化した工事用エレベータを導入したり、自分で資材を積み込み、ルートを選んで目的地まで運ぶロボットを運用し省人化を図っている。
若手も活躍
現場では若手社員も活躍している。
入社2年目の尾松、竹島の2人に話を聞いてみた。
「これまでの他の現場と比較しても類をみないスケール感を持つプロジェクトに参加することができたのは、本当に幸運だと感じています。」
「鉄骨専門、コンクリート専門という具合に多種多様な技術を持った職人さんがたくさん活躍している現場の中で、こういった方々の仕事に必要な汎用機器を、一人ひとりの手に間違いなく手配できるよう行っていくことが当社の役割です。小さなミスが作業の遅滞や思わぬ事故に繋がることもありますので、ひとつひとつ丁寧に仕事を行い、常に現場とコミュニケーションを取りながら、安全に業務を進めていくことが重要です。」
プロジェクトメンバーからのメッセージ
未知の世界への挑戦は容易ではない。最も重要なのは安全。常に何が想定されるかを慎重に検討し、敷地内で事故は絶対起こさせない。安全体制の周知を継続して行っている。現場で何かあればすぐに状況を共有し、検討する。
スケールの大きな仕事だが、基本の積み重ねが大きな成果となる仕事だ。皆さんには、機械に興味をもってほしい。仕事は機械と人、コミュニケーション(交渉)だから、億劫にならずにちゃんと物事を説明できる、機械を紹介できるというのが大切。興味があれば自然と機械を知りたくなる、アピールもしたくなる。
技術はおのずとついていくる。そんな心がけで来てもらえればと思う。我々も若い皆さんの考えを受け止め吸収していきたい。高い目的意識を持って仕事に挑まれる皆さんのことを、理解して、スタート時点からもっているものを活かせるようにしてたい。そして、できるだけ早く現場に慣れてもらい、一人ひとりの能力を活かせるようにしていきたい。
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